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インタビュー2018-04-20

2025年日本万国博覧会誘致委員会事務局 櫟(いちのき)真夏事務総長に聞く 2025年大阪万博誘致

2025年の大阪万博誘致に向けて、今回から始まった万博誘致に携わる方々へのインタビュー連載。第一回目のインタビューは、2025年日本万国博覧会誘致委員会事務局の櫟(いちのき)真夏事務総長。テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」にかける思いや、関西・大阪の強み、若者へのメッセージのほか、2月に「万博誘致特使」に就任された意外な人物(?)の正体など、いろいろなお話を伺いました。

―まずは万博の開催目的・意義について教えてください

「万博は世界中の人たちの未来を提示する場」だと考えています。

昔の万博は、「将来社会が便利になりますよ」とか「豊かになりますよ」とか、そういうことを万博で見せてきました。例えば、1970年の大阪万博では、携帯電話の大元になる無線電話を展示したり、リニアモーターカーが走ったりしていましたが、21世紀に入ってから「発展とか便利ばかりを追求するのはおかしいのでは」という議論が世界中で起きました。その結果、「何か1つの大きなテーマを提示して、みんなで知恵を絞って解決する場所にしましょうよ」という風に変わってきたのです。

例えば、2015年のミラノ万博のテーマは「食」。豊かな食もあれば、貧困や飢餓の人に向けた食もありますよね。このように「食についてみんなで考えましょう」というものでした。「食は世界各国に共通するテーマだ」ということで「食」を選んだんですね。

2025年の大阪万博は「いのち」をテーマにしています。「いのち輝く」というのは、「世界中の人達11人に命がある、その命を豊かに楽しく一生を過ごしていく」ということ。世界中の人達みんなにとっての共通のテーマだと思っています。

国によって命の過ごし方は違うけれど、みんな共通なのは「持って生まれた一生を、楽しく豊かに終いまで生きること」。例えば、若くして病気にかかり、命を落としてしまうような問題に悩んでいる国もあれば、少子高齢化が進み、長生きしていく中、病気で苦しむことなく楽しい人生を過ごしていくということに大きな課題を見出している日本のような国もある。途上国も先進国も共通の課題だろう、ということで今回「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにしたのです。

―では、このテーマに基づくと具体的にどのような課題解決策を提案できる万博になるのでしょう?

例えば、若くして命を落とす国であれば「健康を維持するための方法」を提案出来るでしょうし、日本のように少子高齢化が進んでいる国であれば、長生きして90歳を超えても、より健やかに元気に老後を過ごすための、介護技術などの提案が出来るでしょうし…。いろんな知識とかノウハウとか、テクノロジーを提案できるのではないか、と思います。

※「『櫟真夏』という源氏名のような名前のせいで勝手に美少女を想像されることが多くて…僕が登場するとがっかりされることが多いんです」と話す櫟事務総長。茶目っ気ある自己紹介に緊張がほぐれました。

―開催地である「関西・大阪」にはどういったところに強みがあるとお考えですか?

「いのち輝く」といった点で考えますと、関西・大阪には昔から製薬会社がたくさんあります。それから京大・阪大を中心に、医学を研究している大学や、研究施設も多く備わっています。また、病院や医療施設もたくさんあります。

そのほか、「いのち」にまつわるといえば、スポーツ・産業。スポーツだと、「アシックス」さんや「ミズノ」さんなど、関西にはスポーツ用品メーカーってたくさんありますよね。

また、大阪の人達って人生を豊かに過ごすことに長けている。「一生一定の時間があるなら、その最後の最後まで楽しんで生きようよ!」という意識が、非常に強い地域性があります。

研究とか大学とか産業とか「いのち」にまつわることがたくさん蓄積していることに加え、「人生を楽しんで生きようよ」という気質のある大阪の土地で、「世界中の人たちが一生を豊かに・楽しく過ごすための知恵を出し合いましょう」というのが、2025年大阪万博だと思いますね。

1970年の大阪万博はどのような感じでしたか?

6400万人以上が訪れ、当時の人口の約3分の2が来ました。海外の方も来られてましたが圧倒的に日本人が多かった。上海万博が開催されるまでは、大阪万博がナンバー1の来場者記録を持っていたんです。また、日本人が海外の方と触れる初めての機会だったんですね。私は当時12歳だったのですが、ただの普通の外国人にサインを貰いましたもん。とにかくすごい盛り上がりでしたね。

※終始笑顔で万博について語る櫟事務総長

―再び大阪で万博を開催するということには、どのような意味があるとお考えですか?

大阪ベイエリアを中心に都市機能を高めていきたい、というのはもちろん、大阪の人たちに「いのち輝く未来社会のデザイン」について、一緒に考える機会を持ってほしいというのもあります。

また、2020年に開催する東京オリンピック以降、国内で開催する大きなイベントは、今のところ予定が無いんです。日本全体の経済の活性化を引き続き維持するためにも、大阪で万博を開催することは非常に意味があると考えています。そこからまさに日本の少子高齢化時代に突入していきますからね。そういった社会に活性化をもたらさないかん!と考えています。

―万博といえば、「新進気鋭の若手を輩出する」意味もあると思っています。若者にはどういったところをアピールしていきたいと思っていますか?

「若者の皆さんには無限のアイディアがある」と思っています。実際に、万博の誘致に関わっていろんなアイディアを出している学生がいます。彼ら・彼女らのように幅広いアイディアを、次から次に提案してほしいと思っています。

また、今、高校生や大学生の方でも、2025年は7年先なので立派な大人になっている年齢。きっと、社会の中心になっている年齢だと思うので、今アイディアを出して、2025年はそれを実現する機会として、ぜひ存分に使ってほしいと思っています。

―現在、NMB48さんやET-KINGさんなど、色々な人を巻き込んで誘致を展開されていますよね。今後、この人を交えて一緒に頑張っていきたい!みたいな人はいますか? 

日本国内で万博に対する期待を高めていく役割を背負ってくれている人と一緒に頑張っていきたいと思っています。実は最近、ポケットモンスターとハローキティに「万博誘致特使」になって頂いたんです。

―え!?ポケットモンスターですか!? 

2月の頭くらいに「万博誘致特使」に就任されました。これまではこんなおじさん達が(笑)万博誘致を応援しているケースが多かったのですが、どちらのキャラクターも、女性や子どもさんに人気のあるキャラクターだと思っているので、違う層にも届くように期待しています。

※ピカチュウ、ハローキティと記念撮影する河野太郎外相(中央右)、西銘恒三郎経産副大臣(中央左)

また、ピカチュウやハローキティは、国内だけではなく、海外にもとても人気があるキャラクターです。BIE(博覧会国際事務局)の加盟国170カ国の方々に働きかける時に、「キャラクターも応援しています」といった風に活躍してもらえたらと思っています。

※就任要請書を受け取るピカチュウ

―万博開催国が決まる11月まで、あと半年ですね。今後どのような活動をされるのですか?

やはり各国に、特に万博の投票に関係している国に、大阪で万博を開催することがいかに意味のあることか、あるいは相手国にとって有益のあることか、ということを説明してまわることが大事だと思っています。

―最後に意気込みを一言お願い致します

皆さんの期待に沿いたいですし、絶対に勝ち取ります。頑張りますので皆さん応援していてください。

(取材協力=大阪ベイ経済新聞)

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