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インタビュー2018-04-23

2025年日本万国博覧会誘致委員会事務局 櫟(いちのき)真夏事務総長に聞く 2025年大阪万博 会場編

2025年の大阪万博誘致に向けて、万博誘致に携わる方々へのインタビュー連載。第二回目も、引き続き2025年日本万国博覧会誘致委員会事務局の櫟(いちのき)真夏事務総長にお話を伺いました。今回は一回目のインタビューを踏まえ、「実際に万博が来たらどうなるのか」を説明していただきました。

※今回も笑顔が素敵な櫟事務総長に伺います

―開催土地・夢洲までは、中央線が沿伸されるんですよね

中央線のコスモスクエア駅から海底を潜って開催地までレールが入り、2024年までに「夢洲駅」を設置する予定です。大阪の中心地からは約20分で行けるようになりますよ。

―資料を拝見して「バーチャル来場者」という単語が気になったのですが、どのような感じで来場体験ができるのでしょう?

構想に過ぎないのですが、大阪から離れた場所に「サテライト会場」を設け、そこに立ち寄れば、VRで会場の一角に立っているかのように色々な景色を見れたり、催しを楽しめたり、物に関しては触れることが出来たりなど、そういうことを通じて「バーチャル来場者」を呼び込めたら良いなぁ、と思っています。その時の最先端のテクノロジーを使ってみたいですね。

―実際の来場者はどれくらいの人数を見込んでいますか

約2800万人を見込んでいます。「1970年の大阪万博の来場者数が6400万人だったのに対して、少し弱気な数字なのでは?」と思うかもしれませんが、開催予定の5月3日~11月3日の半年間で約2800万人ということは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンと東京ディズニーランドの半年間の来場者数を合わせても多い数です。
こうなると、いかに1970年の大阪万博が凄かったかが思い知らされますが…(笑) ただ、2005年に愛知県名古屋市で開催した「愛・地球博」の来場者数は約2200万人。近年の傾向を見て、着実な数字だと思っています。

1970年の大阪万博では「太陽の塔」のイメージが強いのですが、今回はそういったモニュメントは作らないんですよね

あえて作りません。1つの特定のモニュメントを示すよりも「バーチャルでも良いので多様なものを提示したい」というのが今回の大阪万博です。

―では実際に現時点での構想で万博はどのような会場になる予定でしょう?

※2025年大阪万博会場イメージ図
会場は、大阪のウォーターフロントに位置する人口島・夢洲で、面積は155ヘクタール。体験型イベントを実施できる「空(くう)」と呼ばれる大広場を設置します。「空」は、全部で5か所つくり、AR(拡張現実)・MR(複合現実)技術を活用した展示やイベントを行い、来場者の交流の場となる予定です。そのほか、「ウォーターワールド」と「グリーンワールド」も設置します。
海上部分に作る「ウォーターワールド」は、通路を歩いて散策したり、水面ステージでパビリオンを眺めながら花火大会をしたりなど、色々な催しが出来る場所を予定しています。また、大阪は「水の都」と呼ばれたりもするので、水と親しむようなスペースを作ろうと「水上ホテル」も計画しています。開催期間が、5月~11月の暑い時期がメインになりますので、夏の暑さを避ける意味も込めています。
「グリーンワールド」にもステージがあります。海をバックに、広い草原を利用してイベントを開く予定です。また、パビリオンから見て西側にあたりますので、夕陽が落ちていく様子を背景に、夕方からも色々なイベントを仕掛けていけたらと思います。また、この一角で「グランピングもやろう」と計画中です。
※「ちょうどこんな感じですよね」と窓の外を眺める櫟事務総長。取材日は天候に恵まれ、「グリーンワールド」のイメージが掻き立てられました。

―イメージ図を見ていると、広場「空」が今回の万博のアイコンになりそうですね

「空」は屋根がつくので雨にも濡れません。イメージ図でひし形になっている部分は、レーザー光線やテクノロジーなどで「あたかもそこにあるかのように見える」モニュメントを演出する予定です。時と場合に応じて、様々な形のモニュメントが形作られるイメージです。

「空」についてよく見てみるとこの屋根の上、人が歩いてますよね!

この坂を登っていくと屋根の上を歩くことができる「空中回廊」を設置できたら良いなあと思っています。このイメージ図のままですと柵が無くて少し危ないですが(汗)、実現化が決まれば安全対策はしっかり行いますよ。

この球体のものはなんでしょうか?

今回の万博は「待ち時間0の万博」も目指しています。1970年の大阪万博は、たくさんの人が集まったせいもあって、その分待ち時間も多かった。「待ち時間0」を目指すために、構想しているのがこの乗り物です。AIの仕組みを使って自分の行きたい希望の館を入れておくと、待ち時間が見れたり、連れて行ってくれたりする「案内乗り物」のようなものを想定しています。また、「足の不自由な人でも楽に移動できる」「なるべく行列を作らない」という意味も含めています。

―全体的なレイアウトはどのような点を意識されているのですか

パビリオンが何館出展されるかとかにも変わってきますし、出展の希望者がどれだけの土地を使うかなどにも変わってきますが、いずれにしても非定型の非中心的なレイアウトを採用しようと思っています。
このレイアウトは「自然の多様性」をイメージして、自然界に存在する姿を利用した「ボロノイ」()パターンを採用しています。例えば葉っぱの葉脈や、田んぼが干からびてひび割れたときの模様も「ボロノイ」()パターンです。
※ボロノイパターンとは=自然界に存在する基本的で反復的な幾何学パターン
あえて中心をつくらない離散型の会場デザインで、多様性から生まれる調和と共創によって形成される未来社会を表現したいですね。

イメージ図を見てたらなんだかワクワクしてきました!

ありがとうございます。楽しみに待っていてください。
(取材協力=大阪ベイ経済新聞)

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