大阪・関西万博会場の休憩所やトイレを設計する若手建築家20組発表
2025年の大阪・関西万博を運営する公益社団法人2025年日本国際博覧会協会(大阪市住之江区)が8月8日、万博会場内の休憩所やトイレなどの施設設計を行う20組の若手建築家を発表した。
ギャラリーを設計する金野千恵さん
同協会は、大阪・関西万博を若い世代の活躍・飛躍のきっかけとするため、「休憩所」「ギャラリー」「展示施設」「ポップアップステージ」「サテライトスタジオ」「トイレ」など20の小規模施設を設計する若手建築家を募集した。3月16日~4月13日の期間に256点の応募があり、書類審査とヒアリング審査を経て、29歳から42歳の20組23人が選ばれた。
審査は、同万博の会場デザインプロデューサーの藤本壮介さんをはじめ、建築家で京都大学教授の平田晃久さん、早稲田大学教授の吉村靖孝さんで構成する評価委員会で行った。審査の基準について、藤本さんは「生活を豊かにする建築の新しい試みや、持続可能な社会への試み、建築と人との関わりに新しい提案があるものを選んだ」と話す。
ギャラリー設計担当に選ばれた一級建築士事務所tecoの金野千恵さんは「食品や食材の廃棄物を使って建築を作るというコンセプトを提案した。実現すれば建築から匂いがして、おいしい物を思い浮かべる『おいしい建築』ができ上がるはず。いいものを作りたい」と話す。
発表会終了後にはキックオフミーティングが行われた。藤本さんは「素晴らしい提案をしてくれた20組と未来を一緒に作っていくのは感慨深く思う。多様なアイデアや進捗(しんちょく)状況を共有できる機会を作り、万博が終わるまで一つのチームとしてがんばってほしい」と意気込む。