大阪市立科学館で万博企画展 1970年万博のコンピューターと宇宙に焦点
企画展「万博で夢見たサイエンス展」が12月6日、大阪市立科学館(大阪市北区中之島4)で始まった。
大阪万博で操作を体験できた大型コンピューターの同機種「IBM System/360」
1970(昭和45)年の大阪万博で展示されたコンピューターや宇宙開発など科学分野を現物やパネル、記録映像などで紹介する同展。前期(1月26日まで)は「コンピュータに見た夢」、後期は「宇宙に見た夢」(2月5日~4月6日)と題し、一部の展示を入れ替える。
見どころは、通期で展示される「タイム・カプセルEXPO70’」のコーナー。直径約1メートルのステンレス製のカプセルに2089点を収容しており、5000年後に開封するという。当時の「松下館」が企画した。コーナーには、5000年の時を刻む時計や植物の種子、胃カメラなど収容品と同じ物を展示する。「電気通信館」で当時、人気を呼んだ体験「ワイヤレスフォン」を起点とした携帯電話の進化のほか「サンヨー館」の「人間洗濯機」も紹介する。
前期展示のコンピューターを紹介するコーナーでは、当時の「アイ・ビー・エム館」で操作体験ができた大型コンピューター「IBM System/360」や1960(昭和35)年に国鉄が運用開始した指定券予約システム「MARS(マルス)」の端末などが並ぶ。後期では、米国航空宇宙局(NASA)が所蔵する「月の石」の実物サンプルや当時の宇宙服、ロケットのレプリカ模型などを展示する。
企画展を担当した同館学芸員の渡部義弥さんは「1970年には夢の道具だった携帯電話やコンピューターは、持っていて当たり前の世の中になった。来場者が会場で最新の技術を体験し面白いと感じたことが未来の社会を動かし、現在の発展につながっている。大阪・関西万博でも本物を見ることの大切さ感じてもらえれば」と話す。
開館時間は9時30分~17時。入館料は、大人=400円、高大生=300円。中学生以下は無料。月曜、12月28日~1月4日、2月4日休館。4月6日まで。
(取材協力=梅田経済新聞)