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万博、「いのち」がテーマの「シグネチャーパビリオン」 8館合同でお披露目

万博、「いのち」がテーマの「シグネチャーパビリオン」 8館合同でお披露目

8人のプロデューサーが集結した合同完成式典

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 大阪・関西万博(大阪市此花区夢洲)の会場中央に位置し、8館で構成する「シグネチャーパビリオン」の合同完成式典が4月3日、行われた。

アンドロイドと人が共生する社会を提示する「いのちの未来」

 学者やアーティストなど各分野で活躍する8人のプロデューサーが「いのち」をテーマにしたパビリオンのプロデュースを1人1館手がける。ロボットやAIなど最新のデジタル技術を使った体験型展示やアート作品を通じて未来社会の在り方を提案する。

 「いのちを拡(ひろ)げる」をテーマにした、大阪大学の石黒浩教授のパビリオン「いのちの未来」では、アンドロイド(人間型ロボット)と人が共生する50年後の世界を表現する。石黒さんは「この万博でわれわれが成し遂げないといけないのは、一人一人が未来をどうしていきたいのか具体的なイメージを持って、次の50年に引き継いでいくこと。そのヒントが万博の会場や私のパビリオンに隠されているはず」と話した。

 メディアアーティストの落合陽一さんは「いのちを磨く」をテーマにしたパビリオン「ヌルヌル」を手がけた。落合さんは「万博でしか作れない『どでかいもの』『どえらいもの』」を目指したと話す。同パビリオンのために開発したという伸び縮みする鏡面の外装膜で覆い、音に合わせて動く建物を完成させた。館内のLEDシアターでは、専用アプリでスキャンした自身のAIアバターと会話する体験もできる。

 慶応義塾大学の宮田裕章教授は「いのちを響き合わせる」をテーマに屋根や壁がないパビリオン「Better Co-Being(ベター コ ビーイング)」を手がけた。来場客は、石をモチーフしにしたデバイスを持って3つのアート作品を巡り、石の振動や光る色によって作品やほかの来場者との共鳴を体験できるという。宮田さんは「五感で感じてもらいたい」と話す。

 同エリアにはこのほか、映画監督の河瀬直美さんの「Dialogue Theater(ダイアログシアター)-いのちのあかし-」、アニメーション監督の河森正治さんの「いのちめぐる冒険」、放送作家の小山薫堂さんの「EARTH MART(アースマート)」、音楽家で数学研究者の中島さち子さんの「いのちの遊び場 クラゲ館」、生物学者の福岡伸一さんの「いのち動的平衡(へいこう)館」のパビリオンが並ぶ。

(取材協力=大阪ベイ経済新聞)

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