万博「静けさの森」に5つのアート作品 「未来への思い考える場に」
2025年大阪・関西万博の会場内の緑地エリア「静けさの森」で開催されるイベントの詳細が3月12日、大阪・南港ATC(大阪市住之江区南港北2)コンベンションルームで発表された。
「静けさの森」のコンセプトを紹介する宮田裕章さん
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万博会場のシンボル「大屋根リング」内中央に位置する広さ約2.3ヘクタールの同エリア。企画・監修は同万博テーマ事業プロデューサー・宮田裕章さんと会場デザインプロデューサーの藤本壮介さんが、設計・デザインは同万博のランドスケープディレクター・忽那裕樹さんと日建設計(東京都千代田区)がそれぞれ務める。直径20メートルの池を囲う形で、万博記念公園などから移植した約1500本の樹木が植えられている。
エリア内では、「平和と人権」「未来への文化共創」など同万博の7つの主要テーマに合わせ、5つのアート作品の展示のほかアートイベントなどを展開。アート作品は、アルゼンチン出身のアーティスト、トマス・サラセーノさんの雲や鳥の巣の形のオブジェクトをワイヤーで空中につり下げた作品、植物学者でアーティストのステファノ・マンクーゾさんが率いるチームによる木が酸素と二酸化炭素を調整する気孔の働きを模倣したという立体作品など。
このほか、宮田さんが他の同万博テーマ事業プロデューサーらと対話イベントやさまざまなジャンルのシェフと共に食と暮らしの未来について考える体験イベントも行う。
2025年日本国際博覧会協会の副事務総長・高科淳さんは「会場内の他の建物も出来上がり、『静けさの森』の存在感も増してきている。世界的アーティストの作品に触れながら、ほっとしてもらえる空間になる」と期待を込めた。宮田さんは「わいわいとした空間から徐々に森の中に入ると、静かになっていくのを感じてもらえる。パビリオンで見た展示や未来への思いを自然に考えられる場になれば」と話す。
(取材協力=大阪ベイ経済新聞)