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大阪で「PLL促進会議」 300人が参加、大阪・関西万博に向けアイデア募集も

大阪で「PLL促進会議」 300人が参加、大阪・関西万博に向けアイデア募集も

約300人が参加したPLL促進会議の様子

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 2025年の大阪・関西万博に向けたアイデアを、企業や大学などの団体とともに議論する「第1回 People’s Living Lab(PLL) 促進会議」が11月20日、グランフロント大阪の「コングレコンベンションセンター」(大阪市北区大深町3)で行われた。主催は公益社団法人2025年日本国際博覧会協会(住之江区南港北1)。

PLL促進会議の今後のスケジュール

 大阪・関西万博のコンセプトである「未来社会の実験場」を見据え、広く企業などの団体とともに、開催前より万博会場内外でさまざまな実証実験を行い、万博会場に実装していくことで技術革新促進を図ろうと行った同会議。

 会場設計、環境・エネルギー、移動・モビリティ、情報通信・データ、会場内エンターテインメントの5分野がテーマ。この日は、カーネギーメロン大学で画像やロボットを研究する金出武雄さんが座長を務めたほか、ハビテックの石川善樹さん(予防医学)、noizの豊田啓介さん(建築家)らを有識者として招き、実証実験に参加を希望する企業などの団体はオブザーバーとして自由参加した。1回目は約300人が参加した。

 石毛博行事務総長は「協会職員は現時点で114人。今はBIE(博覧会国際事務局)に12月に提出する登録申請書を準備している。魅力ある万博にするには、協会だけでなく、企業の参加も必要。PLLでの議論は万博基本計画に反映したり、会場計画にも生かしたりしていきたい」とあいさつした。森清副事務総長は「万博の会期については政府が前倒しを検討している。交通網については、地下鉄中央線を延伸し、バスと船を走らせることを予定している。会場での暑さ対策、雨対策はすぐにでも議論が必要なテーマ」と話す。

 有識者が考える「万博で実現したいこと」についての講演の後は、パネルディスカッションと、オブザーバーからの質疑応答を行った。金出さんは、常時6万人が滞在すると想定される万博会場で来場者が持ち歩くスマホなどカメラ付きデバイスの映像を統合し、会場の外にいる人が自由に見ることができる仕組みを提案。「大規模災害時も活用ができる仕組み」と説明した。

 石川さんは万博テーマの「いのち輝く未来社会のデザイン」を引き合いに出し、「1800年には29歳だった人類の平均寿命が現在は72歳となり、命を伸ばすことには成功した。一方で生活満足度は全く変わっておらず、主観的な感覚にどう挑むべきか」と問題提起した。今後ますます都市に住む人類が建物や乗り物といった閉鎖空間の中で自然を感じられる仕組みや、1970(昭和45)年の万博で「月の石」が展示されたことになぞらえ、「月の家」を作ることを提案した。

 豊田さんは、建築家でありながらデジタル技術にも精通していることから、万博会場建設に当たり、パビリオンなどのハードと、情報データとの間に位置するモノと情報の共有基盤「コモングラウンド」を提案した。

 今後は、第2回会議を12月19日、第3回を来年1月、第4回を2月、第5回を3月に行う予定という。協会ホームページでは12月2日~2020月1月31日、万博会場などで実証・実装を行いたい団体からアイデアを募集する。アイデアは有識者らとともに協会担当者が選定し、採択されたものは、「2022年には実装可能であり、会場建設・情報基盤整備に用いることができるもの」(2020~2021年に実証、2022~2024年に実装)、「2025年には実装可能で、会場内外で用いることができるもの」(2022~2024年に実証、2025年に実装)、「万博後(2030年ごろ)に社会実装される技術を、2025年の万博会場などで実証するもの」(2025年に実証、2026年以降に実装)の3つに分類し、実証実験を行うという。

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