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大阪・本町で「PLL促進会議」 500人が参加、「概念の構造が変わる」万博に期待

大阪・本町で「PLL促進会議」 500人が参加、「概念の構造が変わる」万博に期待

第3回 People’s Living Lab(PLL) 促進会議

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 2025年の大阪・関西万博に向けたアイデアを、企業や大学などの団体とともに議論する「第3回 People’s Living Lab(PLL) 促進会議」が1月28日、「大阪商工会議所」(大阪府大阪市中央区本町橋2)で行われた。主催は公益社団法人2025年日本国際博覧会協会(住之江区南港北1)。

3Dスキャナ実機デモの様子

 大阪・関西万博のコンセプトである「未来社会の実験場」を見据え、広く企業などの団体と共に、開催前から万博会場内外でさまざまな実証実験を行い、万博会場に実装していくことで技術革新促進を図る同会議。会場設計、環境・エネルギー、移動・モビリティ、情報通信・データ、会場内エンターテインメントの5分野をテーマに話し合う。今回は、クモノスコーポレーションの中庭和秀さん、SkyDriveの福澤知浩さん、ティアフォーの田中大輔さんが講演を行った。

 石毛博行事務総長はあいさつで、「2020年は基本計画の作成だけでなく、ロゴマークやプロデューサーを決定する万博の礎を作る年」と話し、集まった約500人に向けて積極的な参加を呼び掛けた。森清副事務総長は、直近の協会の動きや今後のスケジュールについて説明。1月31日まで募集している「万博会場などで実証・実装を行いたいアイデア」について、27日現在約180件の応募が寄せられていると発表した。集まったアイデアは、2月中旬に公表する予定。

 中庭さんは、3Dレーザー計測データの利活用について講演。世界中の人が体験できる「バーチャル大阪・関西万博実現」に向け、同社25年間の技術を結集した3Dスキャナの開発計画を発表。講演終了時には実機デモを行い、会場を沸かせた。万博をバーチャルで体験できるだけでなく、会場の防災や減災、維持管理のほか、アーカイブデータとして半永久的にさまざまな利活用ができることに期待を寄せ、最終的には「バーチャル世界遺産」を目指すという。

 福澤さんは、「空飛ぶクルマ『SkyDrive』」開発について講演。「移動を楽しく、もっと自由に」をミッションに掲げる同社は、2018年に日本で初めて「空飛ぶクルマ」として、屋外飛行試験を実施。2019年12月には、有人飛行試験を開始した。今後、今夏にデモフライトを公開、2023年に販売開始を目指している。大阪・関西万博では、大阪港湾エリアでのエアタクシー実証実験のほか、会場南側水上施設エリアでの遊覧飛行などを提案する。

 田中さんは、「新しい都市に溶け込むモビリティを目指して」と題し自動運転について講演。技術手法や、車両など自動運転の流派について説明した後、現実の映像とCGアートを融合するなど自動運転内での新たな体験を提案。「乗りたくなる・使いたくなるモビリティデザインを都市と一緒に考えたい」と意気込む。

 3人の講演を終え、京都大学・オムロンの竹林一さんは「2025年大阪・関西万博では、『そもそも車とは何か』『万博における入場の定義って何やった』など、概念の構造が変わってくるものになるのでは」と期待を寄せる。

 第4回は2月28日、第5回は3月23日に行う予定。

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