第5回「PLL促進会議」 新型コロナ影響でウェブ配信、オンラインでの参加も
2025年の大阪・関西万博に向けたアイデアを、企業や大学などの団体と共に議論する「第5回 People’s Living Lab(PLL) 促進会議」が、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当初予定していた「大阪商工会議所」(大阪府大阪市中央区本町橋2)での開催を中止。録画したデータが3月31日、協会ホームページで公開された。
大阪・関西万博のコンセプト「未来社会の実験場」を見据え、企業などの団体と共に、開催前より万博会場内外でさまざまな実証実験を行い、万博会場に実装していくことで技術革新、促進を図る同会議。会場設計、環境・エネルギー、移動・モビリティ、情報通信・データ、会場内エンターテインメントの5分野をテーマに話し合う。第5回となる今回は、第4回同様新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ウェブ配信での実施となった。
初めに、石毛博行事務総長があいさつ。続いて森清副事務総長が、1月31日まで募集していた「万博会場などで実証・実装を行いたいアイデア」で集まった提案を、各分野に細分化して件数を公開。新規提案は、随時受け付けている。4月中には中間報告を提出、6月までにロゴマークの決定や、プロデューサーの選定を行う予定。
今回講演を行ったのは、内閣府大臣官房審議官の高原勇さん、東京大学理事・副学長の藤井輝夫さん、関西経済同友会大阪・関西EXPO2025委員会委員長の笹川淳さん、国際電気通信基礎技術研究所代表取締役社長の浅見徹さんの4人。
高原さんは「社会課題解決と経済成長に科学技術・イノベーションは重要な役割を果たす」と発言し、世界各国の動向や直近のトピックスについて発表。さらに、内閣府の動きとして科学技術基本計画第6期に向けた検討事項や、ムーンショット型研究開発制度などについて説明した。
藤井さんは、オンラインで参加。地球と人類社会の未来への貢献に向けた協創を効果的に推進することを目的に設置した「未来社会協創推進本部(FSI)」での取り組みなどについて発表。「経済好循環を大学が駆動する」とし、より良い社会を勝ち取るために「未来への投資に向けた資金循環を創る」提案を行った。
笹川さんは「万博を機に規制・ルールにかかる新たな基盤整備を」と題し、「技術・事業のイノベーションを促す規格・許認可・知財の基盤作り」「データ利活用に必要なインフラや管理主体の整備、ポリシーの設定」に合わせ、来場者集中を解消するため「24時間会場で国内外の人がいつでも参加できる万博」を提案した。
浅見さんは、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の基本理念や、中期事業計画について説明した後、直近の研究について発表。けいはんなにおける万博の取り組みについても発表し、最後に2025年大阪・関西万博のテーマにある「いのち輝く未来社会」については、「自己効力感を持った市民による豊かで冒険に満ちた社会」と締めくくった。