大阪・本町で「PLL促進会議」 大阪・関西万博に向けアイデア募る、400人が参加
2025年の大阪・関西万博に向けたアイデアを、企業や大学などの団体と共に議論する「第2回 People’s Living Lab(PLL) 促進会議」が12月19日、「シティプラザ大阪」(大阪府大阪市中央区本町橋2)で行われた。主催は公益社団法人2025年日本国際博覧会協会(住之江区南港北1)。
集客創造研究所の牧村真史さん
大阪・関西万博のコンセプトである「未来社会の実験場」を見据え、広く企業などの団体とともに、開催前より万博会場内外でさまざまな実証実験を行い、万博会場に実装していくことで技術革新促進を図ろうと開いた同会議。会場設計、環境・エネルギー、移動・モビリティ、情報通信・データ、会場内エンターテインメントの5分野をテーマに話し合う。今回は、約400人が参加し、集客創造研究所の牧村真史さん、京都大学・オムロンの竹林一さん、ライゾマティクスの齋藤精一さんが講演を行った。
はじめに、石毛博行事務総長があいさつ。12月15日まで募集を行っていたロゴマーク応募数について「5894作品の応募があった。3000程と予想していたのでいよいよ盛り上がってきたと実感」と喜びの表情を見せた。続けて「1社で何かを成し遂げるというよりも、是非この機会に良いパートナーを見つけて」と同会議への期待を込めた。
牧村さんは、会場運営システムについて講演。博覧会来場者向けサービスコンテンツや、AIやIoTを活用したシステムと出力デバイス技術を用いて「いかにストレスフリーにするか」の仕組みを細かく説明。さらに、食材や廃棄物などの物流問題を提起し、エネルギーのマネジメントの最適化について説明した。
竹林さんは、大阪・関西万博を考える2つのキーワードを「自律」「便利と感動」とし、「SINIC理論」や「バーチャル美術館」などを引き合いに出して説明。最後に「2025年大阪・関西万博を通過点として一人一人の自律を促進する便利と感動のある世界を実現しましょう」と締めた。
齋藤さんは、BIEウェブサイトに記載されている「国際博覧会(万博)とは?」から、参加者らに向けて改めて万博の意味を問い掛け、さまざまな分野で限界を迎えようとしている世界の現状を指摘。その状況は「待ったなし」として、同会議で「お互いの持っているものを出し合い、統合し、うねりができること」に期待を寄せた。
今後は、第3回を来年1月、第4回を2月、第5回を3月に行う予定。協会ホームページでは12月2日~月1月31日、万博会場などで実証・実装を行いたい団体からアイデアを募集する。
アイデアは有識者らと共に協会担当者が選定し、採択されたものは、「2022年には実装可能であり、会場建設・情報基盤整備に用いることができるもの」(2020~2021年に実証、2022~2024年に実装)、「2025年には実装可能で、会場内外で用いることができるもの」(2022~2024年に実証、2025年に実装)、「万博後(2030年ごろ)に社会実装される技術を、2025年の万博会場などで実証するもの」(2025年に実証、2026年以降に実装)の3つに分類し、実証実験を行うという。