第4回「PLL促進会議」 新型コロナウイルス感染拡大防止のためウェブ配信のみで実施
2025年の大阪・関西万博に向けたアイデアを、企業や大学などの団体と共に議論する「第4回 People's Living Lab(PLL) 促進会議」が2月28日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当初予定していた「大阪商工会議所」(大阪府大阪市中央区本町橋2)での開催を中止し、ウェブ配信のみで行われた。
大阪・関西万博のコンセプトである「未来社会の実験場」を見据え、企業などの団体と共に、開催前より万博会場内外でさまざまな実証実験を行い、万博会場に実装していくことで技術革新、促進を図る同会議。会場設計、環境・エネルギー、移動・モビリティー、情報通信・データ、会場内エンターテインメントの5分野をテーマに話し合う。第4回となる今回は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、初のウェブ配信のみでの実施となった。
はじめに、石毛博行事務総長があいさつ。続いて森清副事務総長が、直近の協会の動きや、今後のスケジュールを説明。1月31日まで募集していた「万博会場などで実証・実装を行いたいアイデア」の集計について、提案件数1020件・提案団体数491件と発表。集まったアイデアは、2月17日に協会ホームページで公表しており、修正提案は3月27日まで受け付ける。
今回講演を行ったのは、みやこキャピタル代表取締役の岡橋寛明さん、エクサウィザーズ石山洸社長、関西経済連合会の理事・産業部長の野島学さん、大阪大学の理事・副学長の河原源太さんの4人。
岡橋さんは、万博の企画に関して「トップダウンではなく草の根ボトムアップ(感)」「マイノリティーにうまく光を当てる」提案に期待を寄せる。一例として、「波動散乱の逆問題」を解き、さまざまな透視を可能にした神戸大学の研究成果を「セキュリティーゲート」に応用する案を提案した。石山さんは、万博会場で多様なデータを獲得し、ゲノム情報を活用したリアルとバーチャルの「健康改善体験サービスアイデア」を提案。「リアルとデジタルが融合し、全く新しいヘルスケアデータ活用とサービスを創出したい」と意気込む。
野島さんは「大阪・関西万博を契機としたサスティナブルな未来社会に向けて」と題し、「都市OS(オペレーティングシステム)」の構築を提案。さらに、あらゆる最新技術を万博会場に取り入れ、「CO2フリー万博」を実現するために水素を活用した取り組みや、夢洲を起点とした「広域周遊MaaS(モビリティ アズ ア サービス)」整備に向けて、官民一体となった取り組みも提案した。
河原さんは、最先端の研究結果を活用した未来社会を体験できるアイデアをいくつか紹介したほか、「未来社会を構想する取り組み」における市民参加のための工夫を提案。さらに、次世代のリーダー育成のため、企画段階から若者への参画を呼び掛け、関西地域の特性を活かした万博に期待を寄せる。
第5回は3月23日に行う予定。