万博会場シンボル「大屋根」新イメージ発表 「世界最大級」の木造建築に
2025年大阪・関西万博を運営する公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は7月13日、同万博会場のシンボル「大屋根(リング)」の新たなイメージ図を発表した。
大屋根の屋上からは会場全体の様子も(提供:2025年日本国際博覧会協会)
「大屋根(リング)」は、世界のパビリオンや緑地「静けさの森」を囲う、1周約2メートルのリング状の建造物。同万博会場デザインプロデューサーを務める建築家・藤本壮介さんが万博の理念「多様でありながら、ひとつ」をテーマにデザインし、SDGsに配慮し木造で建築する。完成時のサイズは、面積約6万平方メートル、高さ最大20メートル、内径約615メートル、幅約30メートルで、世界最大級の木造建築になるという。国内外からスギやヒノキなどの木材を調達し建設する。
会場全体や瀬戸内海をあらゆる角度から見渡すことができる屋上の遊歩道「スカイウォーク」は、外側に向かって上がるよう傾斜がつき、季節の変化を楽しめるよう草花を植える。大屋根の下「グラウンドウォーク」は、雨や暑さなど日本の気候を配慮して、来場者が移動できるようにする。
民間パビリオンの出展場所や会場内の「広場」などの名称を明記した新たな会場配置図も発表。名称は、「光」や「大地」などの自然の事物のほか、「調和」や「進歩」などこれまでに日本で開催された万博のコンセプトから名付ける。
藤本さんは「大屋根は日本の伝統を発信するために、古来の木造建築様式である梁と柱を垂直に交差させる、京都・清水寺の舞台のような造りを採用した。万博会期終了後の再利用を想定し、針やピンなどの金物を使わずに材木を結合させる『貫(ぬき)工法』で建設する」と話す。